ma cherie *マシェリ*

「あはは。抵抗されると余計萌えるなぁ……」


持っていた巾着の中で携帯が鳴っている。

きっとマヒロさんだ。

だけど、腕と体を掴まれて、携帯を取り出すこともできない。


自分の非力さが情けなくなってくる。



「いやああああ」


無駄だとわかっていても、必死で抵抗する。


腕を振り解こうと、足で踏ん張ろうと。


だけど、力で敵うわけもなく。


とうとう体ごと車に押し込まれそうになったその時。



「何やってんだよ?」



背後から低い声が聞こえてきた。



振り返ると、マヒロさんが立っていた。


片方の手にはカキ氷のカップ、もう片方の手には携帯が握られていた。


はぁはぁ……って息を切らしている。


あたしのこと探して走り回ってたの?



「んぁ?」


金髪の男がマヒロさんに近づく。


「何、アンタ?」



金髪の男につめよられたマヒロさんはパッと両手を上げる。


「別に、ケンカしよーとか思ってるわけじゃないけど?
オレ、痛いのヤだし」