それからあたしとマヒロさんは夏祭りに出かけた。



祭り会場は近くの神社だから歩いていけないこともないんだけど。


マヒロさんがお酒を飲んでないこともあって、うちの車を出すことにした。



マヒロさんの運転する姿を見るのは、初めてで……ちょっと新鮮。


ハンドルやシフトレバーに軽く添えられたマヒロさんの腕に、なんだかドキドキした。


見とれて黙り込んでいたら、あたしの視線に気づいたマヒロさんがこちらを見たりして。



「ん?」


って首を傾げる。


あたしは慌てて「ううん。なんでもない」なんて答えるんだけど。


ほんとはなんでもないなんてことはなく……。


さっきからずっと心臓が落ち着かないのは

マヒロさんのことを『男の人なんだなぁ』って、改めて感じてしまったから。