「まだ社会に出てないオレが言うのもなんですけど、オレはどんな職業でも誇り持ってやってる人ってすげぇ、かっこいいって思います。
さっき、お父さんが仕事がある日の前日は酒を飲まない……っていうのを聞いて、すごいプロ意識もってやってんだなって思いました。
そういうのって、自然と伝わると思うんです。
毎日出勤する背中をサキも見てきたはずですから。
サキはお父さんのこと、好きです。
それをなかなか上手く伝えられないみたいですけど……」
お父さんは何も答えなかった。
あぐらをかいている膝のあたりをじっと見つめている。
言葉にはできないけど、ひょっとして照れてるのかな……そんな気がした。
――チリン……
その時、縁側につるしていた風鈴が鳴った。
柔らかな風が吹いて、この場のムードを和ませる。
夕食の時とは全然ちがう空気が流れているような感じ。
穏やかな声でお父さんが言う。
「サキは……ちゃんとやれてるのか?」
「えっ?」
さっき、お父さんが仕事がある日の前日は酒を飲まない……っていうのを聞いて、すごいプロ意識もってやってんだなって思いました。
そういうのって、自然と伝わると思うんです。
毎日出勤する背中をサキも見てきたはずですから。
サキはお父さんのこと、好きです。
それをなかなか上手く伝えられないみたいですけど……」
お父さんは何も答えなかった。
あぐらをかいている膝のあたりをじっと見つめている。
言葉にはできないけど、ひょっとして照れてるのかな……そんな気がした。
――チリン……
その時、縁側につるしていた風鈴が鳴った。
柔らかな風が吹いて、この場のムードを和ませる。
夕食の時とは全然ちがう空気が流れているような感じ。
穏やかな声でお父さんが言う。
「サキは……ちゃんとやれてるのか?」
「えっ?」


