「お父さんの生き方を否定するためにパティシエになろうとしたわけじゃないと思います。純粋にお菓子が好きだからですよ。
それに……。
サキは、大阪にいても、お父さんのことを考えています。
父の日のプレゼントも一生懸命選んでいたのを、オレ、知ってます」
「そうか……」
「はい」
しばらく沈黙が続いて。
今度はお父さんが口を開いた。
「ところで、キミのお父さんは?
何をやってる人なんだ?」
「うちですか?
うちの親父は、千葉で会社やってんですよ。
っつっても、小さな町工場なんですけどね。
主に金属加工を手がけてます。
肩書きは一応社長なんですけど、今でもバリバリで現役の職人なんですよ。
『技術では若いヤツらには負けねぇ』っていうのが口癖で」
マヒロさんはハハッと笑って言葉を続けた。
「でもオレは、子供の頃、親父の職業が好きじゃなかったんです。
毎日作業服着て、あちこち汚れて……。
友達のお父さんはスーツの似合う職業だったりして、なんだかかっこいいわけですよ。
それなのに、うちの親父は……って内心、恥ずかしく思ったこともありました。
けど、親父、いつも一生懸命なんですよね。
家族だけじゃなくて従業員も食わしてかなきゃならないわけで……。
休みなんかなしでいつも働いてばっかで……。
そんな姿見てたら、いつの頃からか、かっこいいな……って思うようになりました」
それに……。
サキは、大阪にいても、お父さんのことを考えています。
父の日のプレゼントも一生懸命選んでいたのを、オレ、知ってます」
「そうか……」
「はい」
しばらく沈黙が続いて。
今度はお父さんが口を開いた。
「ところで、キミのお父さんは?
何をやってる人なんだ?」
「うちですか?
うちの親父は、千葉で会社やってんですよ。
っつっても、小さな町工場なんですけどね。
主に金属加工を手がけてます。
肩書きは一応社長なんですけど、今でもバリバリで現役の職人なんですよ。
『技術では若いヤツらには負けねぇ』っていうのが口癖で」
マヒロさんはハハッと笑って言葉を続けた。
「でもオレは、子供の頃、親父の職業が好きじゃなかったんです。
毎日作業服着て、あちこち汚れて……。
友達のお父さんはスーツの似合う職業だったりして、なんだかかっこいいわけですよ。
それなのに、うちの親父は……って内心、恥ずかしく思ったこともありました。
けど、親父、いつも一生懸命なんですよね。
家族だけじゃなくて従業員も食わしてかなきゃならないわけで……。
休みなんかなしでいつも働いてばっかで……。
そんな姿見てたら、いつの頃からか、かっこいいな……って思うようになりました」


