「また来てねー♪」


ユマの声を背後に聞きながら、あたしとマヒロさんは店を出た。

扉が閉まる瞬間、ユマの爆笑する声が聞こえたのは気のせいではないはず。




「マヒロさんっ」



早足であたしの前を歩くマヒロさん。


「マヒロさんてば!」


声をかけても振り向いてもくれない。


やっぱり怒ってるのかなぁ……。



あたしはおずおずとマヒロさんの背中に話しかける。


「マヒロさん……怒ってる? ……よね? ごめんなさいっ、昨日あたし……」


二歩ぐらい先を歩き続けるマヒロさんはあたしに背を向けたまま言う。



「昨日のことじゃない」


「え……」



あたしがエッチを拒んだからじゃないの?



じゃ、怒ってる理由は何?