聞き覚えのある声に反応して、驚いて顔をあげる。


横からスッと腕が伸びてきたかと思ったら、その人はあたしのピーチソーダを奪った。


そして何食わぬ顔して、チューっとストローですする。



「なっ……」


驚きのあまり絶句。


ユマも目の前の出来事に唖然としている。




「シカトこいてんじゃねーよ。朝からメールしても返事こねーし」


ふてくされたように言いながら、デニムの後ろポケットに手を突っ込む。


「かと思ったら、置いて来てんじゃねーよ。
てか、ありえねーだろ。
アホすぎる、お前、真性のアホ?」



ゴゴゴゴゴーって。

怒りのオーラを背負っているように見えるんですけど。


不機嫌そうな顔つきで、ダンッとあたしの携帯をカウンターの上に置いたその人は……。




「ま、マヒロさんっ。なんでっ?」




なんでここにいるの?