ma cherie *マシェリ*

“世界で一番ピュアな恋物語!”

……なんてキャッチコピーがついてたくせに!


開始30分でいきなりこれデスカ!?


絶対家族そろってお茶の間では見られないじゃないか!


お父さんがゴホンッって咳払いして「新聞新聞」とか言いながら席を立つしかないじゃないか!


少なくとも地上波ゴールデン向きではない映画だ!



「……これ、こういう映画だったの……?」


今更ながら借りてきたことを後悔していると、上からクスッて笑い声が降ってきた。


「こういう……って何が?」


まるで試すような表情のマヒロさん。

何を言わせたいんだろう……。


「だから……こういう……男の人と女の人が……エッチな……ことを……」


最後の方はごにょごにょ言うだけで言葉になってなかったと思う。


マヒロさんはわざと挑発するように言う。


「うわぁ。そういう見方する方がヤラシイなぁ。オレは芸術作品だと思うけどなぁ」


意地悪っぽい目つきでそういうマヒロさんに、なんだか腹が立ってきた。


「マヒロさんっ。内容、わかってて借りたんでしょ!」


「いや、全然。てか……」



マヒロさんは急に真面目な表情をする。


「そっちこそわかってないみたいだから、1つ教えておこう。
サキちゃん?」


「?」