「お前が企画したの? あの合コン」


「はい、そうですよ」


サキはニコニコ笑って応える。


「あ……といっても、元々は望月君に頼まれたからなんですけどね」


「え……」


「たまたま、リアナちゃんと一緒に撮ったプリクラを望月君に見られたんです。そしたら望月君が『めっちゃ可愛い! 紹介して!』って……。それで、あたし迷ったんですけど、ちゃんとホントのこと言うべきかなぁ……って思って、リアナちゃんのこと説明したんですよ」


説明ってのは……つまり、リアナがニューハーフであることだよな。


「そしたら、望月君から言われたんです。『じゃ、合コン企画して?』って。マヒロさんのために……って」


「はああああ? なんでオレの為なんだよ?」


なんでそこでオレの名前が出てくるのかさっぱりわかんねぇ。


「えっ……。だって、大学のお勉強で必要なんですよね?」


「は?」


「望月君、言ってましたよ?」


「何を?」


もうイライラはマックスに達していた。

今、間違いなくこめかみには青筋が立っている。

そんなオレの様子には全く気付かないサキは小首を傾げてニッコリ微笑んだ。





「マヒロさんの論文のテーマが“僕とニューハーフ”だって」