ラメ入りのツヤツヤでぷるぷるの唇がオレを誘う。


オレはそのまま唇を寄せる。

その距離、ほんの数ミリ。

あとちょっとで触れる……。


ってとこで、オレは彼女から体を離した。


「ダメ」


オレの声に反応して、彼女はパチンと目を開けた。



「悪い……。オレ、もうダメなんだ、こういうの……」


言いながら自己嫌悪に陥っていた。

昨夜は自分の欲望のまま彼女を抱いたくせに、今日はこんなクソ真面目なセリフを言ってる。

我ながら矛盾してるよな。

だけどやっぱり、サキ以外の子とキスなんてしたくない気分だったんだ。


「わかった。ねぇ、マヒロ君?」


「何?」


「あたしの名前知ってる?」