私はくろの涙をそっと拭う。

くろが驚いたようにまた瞳を揺らした。


「探してくれて、ありがとう。」


「うん....。また、会ってくれる?」


あいたい。
あいたいに決まってる。
でも。


まだ、私には気になっている大きな問題があった。

それをはっきりさせなければ
また私はくろから逃げてしまう。


くろが勇気を出してくれたように。

私も勇気を出さなくてはいけない。


ぎゅっと固く手を握りしめ
大きく息をすう。

「お日様の子は、良いの?」

恐る恐る今まで封印していたフレーズを言葉にする。

頭の中でインターホン越しの可愛らしい声がリフレインしだす。



「お日様の子....?」


「くろの、大切な人なんでしょう?」



「そうだけど.....おねーさんと会うことと関係があるの?」


「だって、私と会っていたら、誤解、されてしまうかもしれないじゃない。」


「誤解?」


「そうよ?」


「よく....おねーさんの言ってることが分からないんだけど。」



話が噛み合わない。



くろがとぼけているようには見えない。
本当に話が分からないという顔をしている。

あの子は「お日様」じゃなかったの?

誰なの?


お日様じゃないなら何故あの日いたの?


どうしたらくろに伝わるのか
考えていると、くろがとんでも無いことを提案してきた。



「よく分からないから呼ぼう。」



呼ぶ?



お日様を?



あまりの急展開についていけてない
私をおいてくろは誰か(恐らくお日様の子)に電話をかけてしまっていたのだった。