「光に...。」
「私に?」
「光に...カッコいいって、
言って欲しかっただけなんだ...。」
ぽつりぽつりと
僕の口から出てきた言葉は
小さい子供の様に
頼り気ない声だった。
言ってる内容も
恥ずかしいし、
早く沈黙を破ってくれないと、
今にも逃げ出したい衝動に駆られる。
光の方をちらりと覗けば、
大きな瞳をぱちぱちと
瞬かせてこちらをみていた。
きっと今度こそ流石の光もひいちゃったんだ。
ますます恥ずかしくなって、
僕はやけになった。
「新しいジャケット、
似合うって言われて嬉しかったけど、
カッコいいって言ってほしくて着たし
ピアスも新作の、お気に入りをつけて
いけると思ったけど、
心配されちゃうし。
髪型....セットしたのだって
浮気なわけないのに。
そんなこと、
絶対しないししたいと思ったことすら
無いのに。
光の好みじゃなかったのかな...?
ワックスで流したら、
真似したら同じように
カッコいいって言ってくれるかと
少しうきうきしたのも、
きっとカッコ悪いんだ。」
浮気という単語に
光ははっとした顔になったけど、
僕は自分を止められなかった。
「コーヒー、しかも飲めないし。
佐藤くんは美味しそうにブラックで
飲みやがるし。
お酒も、光の方が強いし、
ジョギングしても筋トレしても
ペラペラだし。
仕事で稼いでも
光は驚くばっかりだし...!!!!
僕は光が何でもしてくれるから
どんどん甘えちゃって
情けなってくし...
光は、佐藤くんカッコいいって
いうし好きっていうし、
今もこんな醜態、さらして
もうどうしたらいい....の...?!」
光が僕が言い切ると同時に
膝の上に跨がってきた。
ひ、光が大胆...。
そしてな、なんと心臓破裂寸前の
胸元に顔を擦り寄せて、
きゅっと僕の服を弱く掴んだ。
な、な、な、な、な、何?


