パチパチ、パチパチ。

どこからか、拍手が聞こえてきた。

健斗がいたところより、奥の方から

人影が現れる。

「理事長‼︎」

なんで、理事長が⁉︎

「いやぁ、実に素晴らしいよ。

よく頑張ったね。莉子君、君は元の学校

に帰りたまえ。」

アンリが、

「理事長。記憶を?」

と聞く。理事長はにこにこしながら、

私の頭に手を伸ばす。

「当然だろう。ここでの事は、忘れても

らう。」

アンリのかおが少し、歪む。

どういうこと?まさか、アンリ達のこと

を忘れさせられ、るの?

「い、やぁ………………。」

忘れたくないよ。

目に涙が浮かんでくる。すると、アンリが

「きっと、また会えるよ。大丈夫。」

と言いながら、いつものように頭を

優しくなでてくれる。

そしてーーーーーーーーーーーーーーー

唇に、あたたかく、柔らかいものがあたった。

それがなんだったのか、理解する前に





私の意識は途切れた。