private lover / another view

 「にっ新山?」


 急に涙ぐんだウチを見て、星哉クンが慌てだす。


 「ゴメンね……ありがと。嬉しいな」


 笑ったら、目に溜まった涙がこぼれちゃった。 


 「何があったんだ?」

 「寿クンと…………別れちゃった」

 「なっ何で?」

 「好きな人がいるんだって」






 それがミッキーだなんて……





 「別れる前提で彼女にして貰ったの」


 高校卒業するときに別れるんじゃなかったの?


 「けど……こんなに早く来るなんて思ってなかった……」


 それまでは、ウチを彼女にしてくれるんじゃなかったの?


 「遊びってこと分かってて、何でつき合ったりしたんだ?」


 星哉クンがちょっとだけ悲しそうに言う。

 「だって………ウチのこと特別だって言ってくれたから」



 信じたんだもん。

 信じたかったんだもん。

 寿クンのこと、好きだから。



 「彩並の野郎……泣かすこと分かってんのに」


 大きな会社の御曹司だから、真剣に恋愛なんかできないんだって

 言ってたコト、ウチは星哉クンに言えなかった。

 涙が止まんなくて、声が出せなくなって、

 自分が泣いてるんだってことしか、考えらんなくなった。

 星哉クンがウチの背中を、ゆっくりゆっくり撫でてくれた。



 ウチが泣きやむまで――――――