でも、ミッキーとは遊びなんだって言った。

 ミッキーもそれを承知してるんだって。

 何でミッキーはそれを承知したんだろうって思ったけど、

 それは寿クンを懲らしめるために、いろいろやってくれてたから、

 その延長なんだって思った。

 寿クンはその電話のあと、わざわざ家まで来てくれた。


 「別れること前提だけど、俺とつき合う?」

 「うん」

 「じゃあ俺の女にしてやるよ」


 ニッて笑って、泣きそうなウチの頭、ポンポンって叩いた。


 「んな顔すんなって。もっと締めつけたくなんじゃん?」


 そう言って抱きしめてくれた。

 強く強く、ホントに、締めつけるみたいに。




 嬉しかったのに………

 全部全部、うまくいってるんだって、思ってたのに…………





 何で?

 何で寿クンの好きな人、ウチじゃないの?

 ミッキーには星哉クンがいるじゃん。

 ずるいよ、二人もなんて。



 寿クンに告白されたってミッキーから聞いたとき、

 ミッキーはそれが遊びだなんて言ってなかったよ?

 キスされそうになったとか言ってて………

 寿クンは遊びと思ってて、ミッキーはそうじゃないって勘違いしてるの?

 それとも、寿クンがウソを―――――




 星哉クンは知ってるのかな……

 ウチが今電話したら、ミッキーたちの二人の関係崩れちゃう……




 でも……このまま黙っておいて、いいのカナ……

 ダメ、じゃない?

 だって昨日、ウチと帰ってるとき、

 急に忘れ物したって言って、走って行っちゃったんだもん。



 寿クンのトコ行ったんじゃない?

 何で一人で行ったの?



 ミッキーも……寿クンのこと、好きなのかもしれない。