「辛いけど、頑張ろうな」
うつむいてまだ悲しそうな新山に、そんな言葉をかけてやる。
「うん。そうだね」
新山は顔を上げた。
涙で濡れて光る瞳と紅い頬が、なんとも悲愴だ。
「ウチばっかり泣いちゃって、ごめんね。星哉クンも、泣いていいからね」
新山は、そんな悲愴な顔のまま、微笑った。
「遠慮しとくよ」
少しだけ癒された気がした。
笑顔に? 言葉に? 口調に?
さぁ……それは分からない。
新山の気持ちが落ち着いたのを見計らって、
俺は学校に戻ることを告げた。
五月の連休明けにあった支部総体の結果は個人戦で優勝。
六月にはインターハイ予選がある。
部活に出なければならない。
そのためには学校を休むわけにはいかなかった。
「エライね。もう前向いてるんだ」
「俺には、空手しかないんだ」
岡崎がいなくなった今は、本当にもうそれしかない。
空手やってる間は無心になれるし、
練習していれば着実に強くなっていく。
「ウチも学校行く!」
「大丈夫か?」
あんなに泣いていたくせに、岡崎や彩並と
同じ空間の中で授業なんか受けられるわけがない。
「星哉クンがいれば大丈夫だよ」
そう言ってまた、新山は微笑んだ。
うつむいてまだ悲しそうな新山に、そんな言葉をかけてやる。
「うん。そうだね」
新山は顔を上げた。
涙で濡れて光る瞳と紅い頬が、なんとも悲愴だ。
「ウチばっかり泣いちゃって、ごめんね。星哉クンも、泣いていいからね」
新山は、そんな悲愴な顔のまま、微笑った。
「遠慮しとくよ」
少しだけ癒された気がした。
笑顔に? 言葉に? 口調に?
さぁ……それは分からない。
新山の気持ちが落ち着いたのを見計らって、
俺は学校に戻ることを告げた。
五月の連休明けにあった支部総体の結果は個人戦で優勝。
六月にはインターハイ予選がある。
部活に出なければならない。
そのためには学校を休むわけにはいかなかった。
「エライね。もう前向いてるんだ」
「俺には、空手しかないんだ」
岡崎がいなくなった今は、本当にもうそれしかない。
空手やってる間は無心になれるし、
練習していれば着実に強くなっていく。
「ウチも学校行く!」
「大丈夫か?」
あんなに泣いていたくせに、岡崎や彩並と
同じ空間の中で授業なんか受けられるわけがない。
「星哉クンがいれば大丈夫だよ」
そう言ってまた、新山は微笑んだ。

