あの約束したあと
全然、授業に手をつけることは
できなかった

まぁ、いつも
授業は寝たり、ぼぉーっとしたり
しかやってないけど

今日は違う
なぜか、そわそわし時計を見たり
少し可愛く見せるために
メイクを直したり
いつもとは違うことばかりしていた

そんな事をやっているうちに
いつの間にか、放課後に…


「ゆーい!!迎えに来たぞ
 準備してる?」

緊張していたのか
声が聞こえるなり、体がびくっと
なって愁哉を見る

「そんな、大声で言わなくても
 うちは居るし…準備はもう少し…待って」

そう言いつつ、とっくに準備が終わってる
鞄に必要以上にがさつかせて
愁哉に近づき

「今、終わった」

「ん、じゃあ
 部活へレッツゴー!!」

すると、愁哉は
結羽の手を引っ張り

「!?ちょ、何してんの!!
 離せよ!みんな、見てるじゃん!!」

まさかの愁哉の行動に動揺し
手を振り放そうとするも
ぎゅっと力を込めて、こちらを
振り返らず


「離さねえよ、結羽が遅いし
 …かわ…(ボソ」


愁哉が口元を隠して
前を見たままで
最後に言った言葉が聞き取れなかったが
手から愁哉の温もりが伝わって
そこからとろけそうになった…

心拍数が上がりそれが伝わらないように
願っていたらすぐに
体育館に着いた

それから、愁哉の鞄を
預かったまま
端っこで愁哉の所属している
バスケ部の練習が始まった

ウォーミングアップをし
それぞれの練習に入り
バスケ部の先輩2人が
結羽のもとへ

「やぁ!君、結羽だっけ?
 怖いけど結構、美人って噂に
 なってるよね?」

「…噂は知らないけど…
 結羽は合ってる」

少し、にらむ形で冷たく返すも
全然効果なしで

「暇してんならさ
 俺らとこれから遊ばねえ?
 部活はほっといて良いからさ」

先輩の1人が強引に
引っ張ってきたので必死に抵抗していると

「先輩!!
 何してるんですか!!痛がってる
 じゃないですか」

愁哉が結羽と先輩の間に入り
手を離させた

少し怖かった結羽は
愁哉の裾を掴んでいた