三人で歩いていると、葵が話し出した
「橘さん明日誕生日みたいだね〜?」
多分何も意識せずに発したのだと思う
「あぁ、何か騒いでたな…」
と、末永は興味なさそうに言う、
「橘さんちお金持ちだし誕生日とか盛大にやりそうだよね?羨ましい!」
はしゃいでいる葵
「でも、そうでもないみたい…」
私がそうつぶやくと葵は不思議そうに私を見る
「トイレで聞いちゃったの。多分お母さんと話してるところ…
仕事で両親二人とも帰ってこないみたい。プレゼントとごちそうだけ用意して、ひとりぼっちみたいだよ…」
そうとぼとぼと歩く
「えぇー!それはないでしょ?あんなにみんなに自慢してたのに?」
「多分最初はその予定だったけど、急に仕事入ったみたいだよ?で、今更みんなには言えずに…って感じ」
葵は体を小さくし、悲しそうな顔をする
「えぇ、可哀想…」
私は葵の手をぱっと掴む
びっくりする葵
「あのさ、私たちでお祝いしてあげない?サプライズ‼」
そういうと葵は目を輝かせる
「いいねいいね!賛成!」