そうだった…見られてたんだあれ




「あれは違うの。確かめたくて…」





末永は黒板の文字をノートにかきながら不機嫌そうな顔




「なにを。普通好きでも何でもなかったら嫌がるだろ?…実際にそうだったし」





私は末永の方に顔を向け、眉を顰めた





「実際にそうだったって?誰かにやったの?」






なぜか焦る私





末永は相変わらずノートを書きながら話す





「別に、ただ試してみただけだけど?そしたら少し顔近づけただけで悲鳴あげられて椅子から落っこちてたし。普通そう言う反応だよな?」





ぐっと胸が苦しくなった。





「末永って他の女の子にもそういうことするんだ。教室戻ってこないと思ったら、なんだ末永だって女の子といちゃいちゃしてたんだ。へ〜」




わざと嫌味っぽく言ってしまう





私も末永から目を背け、ノートをとった





今度は末永がペンを止め、こっちを向いてくる





「はあ?元後いえばお前が…ー」





「私が何よ?理由は言えないけど俊介に頼んだの!俊介だよ?末永はさ、知らない女の子とそういうことしてたんでしょ?あり得ない。私には関係ないけど…」






「仕方ねえじゃん!ちょうど話しかけられたんだから」




「あそう。声かけられて舞い上がってたんだ?」




「なんでそうなるわけ?」





「そこの二人‼うるさい‼授業中ですよ?」





いつの間にか言い合いになっていた私たち




すっかり授業中ってことを忘れていた





そんな私たちを呆れながら見ている俊介





「「すいませんでした」」
私たちはただそう謝り、黙り込んだ