化粧をする気も起きず、マスクをして制服に着替え、家を出た




できるだけ俯いて顔を隠して





同じ学校の生徒だって私を見てこそこそと話す




学校について教室に入るとみんなが私を見る
私は何も言わずに自分の席につく





予想通り何人かの子が寄ってくる





「あの記事って本当なの~??」





「あれ彼氏??」





何気ない言葉でも泣きたくなる




私は苦笑いをしごまかす






そんな時、隣の席にガタンッッと乱暴に荷物を置く音が聞こえる





心臓が飛び出しそうなくらいバクバクと音を立てる




私は恐る恐る振り向くと末永の姿だ





わざとらしく私に背を向けて座っている




私は思い切り息を吸い込み
「末永!!…昨日はごめんね…」



だんだんと小さくなる声





末永は振り向き私を見る




末永の冷たい目
胸が苦しくなって





息を整える




「急にマネージャーに呼ばれたんじゃなかったん?来ないと思ったらそっちで楽しくやってたわけね。」





呼吸を整えながら首を振る





「ち、違うのあの記事は「俺嘘つく奴嫌いだから」」






そんな末永の一言に私は何も言葉が出なくなる





また泣いちゃいそう、、




私は教室を出て
行き場を探した






本当に敵ばっかだ




誰も分かってくれない





信じてくれない




末永にだけはあの記事
見られたくなかった





他の人とキスをしている写真なんて
好きな人に見られたくなかった