私は少しずつご飯を口に運ぶ
こんなに美味しいご飯始めて食べた
今まで実家ではシェフのご飯か、シェフがいなくなってからはいつもコンビニ弁当だった。
一人になってからも料理なんてしなかったからいつも外食かコンビニ
こんな家庭の味を食べたのは初めてで、
美味しくて、嬉しくて、
箸をもつ手が震えた
「お姉ちゃんどうしたの?」
きいちゃんは私を不思議そうに見る
「ごめんね?口に合わなかった?」
申し訳なさそうな顔をするお母さん
私は首を横に大きく振った
「どうした?」
末永は私の顔を覗き込む
私は笑顔を作る
「美味しいです。暖かいです…これが家族の味なんですね…?お母さんの作ったご飯ってこんなに美味しいんだ…
こんなに美味しいご飯食べたことありません…」
そう離すと涙が零れた
これが私が知らない
家族だ
ずっと私にはなかったもの

