入学式が終わり、私と野音は桜並木を歩いていた。



「みぃな、あいつには気をつけろ。」

「あいつって、彼方のこと?」

「あぁ。」




いや、大丈夫ですよ…




「大丈夫だよ〜。」





私は苦笑いした。




「じゃ、また明日ね!」

「あぁ!」




いつもの分かれ道で別れた私は、駆け足で家に帰った。




ガチャ





「ただいま!」

「おかえり。
どうだった?」

「とってもいいとこだよ!
野音とも同クラになれたし!」

「まぁまぁ。
あ、彼方君は?」

「え?なんで母さんが彼方のこと…」




私は玄関で立ち尽くした。




「彼方君のお母さんから連絡あって、こっちに引っ越してきたんですって。」

「へ、へぇ〜…」

「で、どうだった?」




バリバリのヤンキーになりました。って言ったら失神するかも…




「か、変わらなかったよ!」

「そぉ…よかった。」




母さんは微笑むと、リビングに戻った。