「おはよぉ!」


私は春華実那。


みんなにはみぃなと呼ばれている。

黒のショートカット以外、特徴がまったく無い。


「おはよ、みぃな。」


こちらは大親友の野音。


読み方はやお。


みんな間違えるってやおは言う。

野音は、明るい茶色を腰まで垂らした大人っぽい子。

「今日から高校生かぁ」

「だな〜。みぃなが高校生になれるなんて思ってもなかったわ。」

「うわ、ひどっ!」

「冗談だって!」

私達の笑い声は、桜並木の道に響き渡った。