「うわぁ……!!」
思わず、あたしの口から歓喜の声が漏れる。
そこは露天風呂になっていた。
無骨に並べられた岩で作られた浴槽。
それは、中の整理された美しさとは違う、温かみと力強さが感じられた。
そして、そこから見える夜景がまた凄い!
旅館自体が小高い丘の上に作られているため、露天風呂はさながら自然の展望台といったところ。
夜空の星の輝きと、そびえる山々の向こうに見える街の明かり。
それはまるで、きらめく宝石みたいで、あたしの心をとらえて離さなかった。
更に、ここは小高い丘の上ということで、周りからのぞかれる心配もない。
安心して、この開放的な空間を楽しむことができるんだ。
「もう、最高ーっ!」
あたしは、夜空に向かって叫んだ。
あたしの声は、夜空の宝石箱の中に吸い込まれていった。


