コイスルハナビラ SAKURA

そんな話をしながら、5分くらい歩いたかな。

階段を降りると、すぐに『湯』と書かれたのれんが目に入った。

最初の入り口は一つで、右に進むと男性用脱衣場、左に進むと女性用脱衣場になっている。

あたしたちは、女性用脱衣場の扉を開け、中に入った。


「うわ~、貸し切り状態だ~」


棚に並ぶ脱衣カゴの中に、誰の服も入っていないことを確認したあたしは、歓喜の声を上げた。


「気兼ねしないで、ゆっくり入れるね」


麻紀ちゃんも、嬉しそうだ。

あたしは急いで服を脱ぐと、シワにならないようたたんでカゴに入れた。


「先に入ってるね~!」


あたしは、そう言い残し、ワクワクした気持ちで浴室の扉を開いた。