「ご、ごめんなさい!」


慌てて謝るあたしたち。

でも、叔父さんは全く気にしてないみたい。


「いや、これだけ長い時間、しかも連続して移動してたら、そりゃ疲れるよ」


そう言って笑ってくれた。

その笑顔に、あたしは少しだけ胸が軽くなった。


「でも、もう少しの辛抱だから……ほらっ!」


叔父さんが指差した先。

道路脇の看板。

備え付けのライトに照らされたその看板には、


『ようこそ、笹の葉旅館へ!』


と、大きな文字で書いてあった。


「ささのは……旅館?」

「そう、そこが俺の旅館なんだ」


名前の下には少し小さく、


『この先100メートル』


と、旅館までの距離も書いてあった。