「大丈夫だった?」



これだ……



橘先輩は、あたしに優しく微笑んでくれる。

頭が良くて、運動も出来て、顔もスタイルもいい。

それでいて性格までいいなんて、はっきり言って反則だと思う。

でも、橘先輩と話をしてると、そんなことどうでも良く思えてくるから不思議……



(やっぱ人柄じゃね)



あたしは、ウンウンとうなずいた。


「今日は風が強いから気を付けてね」


橘先輩はきれいな標準語であたしに微笑むと、教室の方へと歩き出した。


「あ……ありがとうございました!」


あたしは、去っていく後ろ姿にお礼の言葉を投げかけた。