「叔父さん、お久しぶり!」

「いや~、麻紀、綺麗になったねぇ」

「え~? そうかなぁ? ありがとう、叔父さん!」


麻紀ちゃんと叔父さんの会話。

にこやかな笑顔で、サラッと嬉しいことを言う叔父さんにもビックリだけど……


何より……


「麻紀ちゃん……綺麗な標準語……」


いつの間に練習していたんだろう……


『郷に入れば郷に従え』


あたしの頭に、2ヶ月くらい前に国語の先生が言っていたコトワザが蘇った。


「……でね、こっちが親友のさくら。電話で話してた子だよ」

「は……はじめまして、綾瀬さくらです! よ……よろしくお願いしますっ!」


急に現実に引き戻され、思わずたどたどしい挨拶になってしまうあたしだった。