あたしが息を切らせ、ようやく切符売り場にたどり着いた時、麻紀ちゃんはすでに切符を買っているところだった。


「は、早いなぁ……」


あたしは、持っていたバッグを床に落とすと、『とすん』とその場に腰を落ろした。


「麻紀ちゃん……家の手伝いしとるから、力持ちになったのかな……?」


あたしは袖をまくると、腕を曲げて力こぶを作ってみる。

一応、ちょこっとだけ膨らんでくれたけど……


「これじゃあ、米俵は担げないよぅ……」


あたしは、ガッカリしてうなだれた。