いつまでも続きそうな、あたしと地図の追いかけっこ。

でも、それは1人の女性の登場で終わりを迎えることになる。

じゃれる子犬のように、後ろから彼女の足にまとわりつく地図。

彼女は、風にたなびく長い髪を押さえながらしゃがみ込む。

そして、しっかりと地図を捕まえた。


「はあっ……はあっ……ありがとうございます!」


息も絶え絶えに、ようやく追いついたあたし。



「助かりました!」


お礼を言いながら顔を上げたあたしは、次の瞬間はっと息を飲んだ。