どれくらい泣き続けたのだろう。

窓の外は、いつの間にか雨が上がっていた。


今頃、涼ちゃんは……


橘先輩の長い髪を、優しくなでている涼ちゃんの姿が浮かぶ。


涼ちゃん……


その時、雲の隙間から月が顔を出した。

月明かりは窓から入り込み、部屋の中を優しく照らし出す。


「月……」


月明かりに照らされ、あたしの部屋に置いてある物が浮かび上がる。


机、丸いクッション、誕生日にもらった大きなぬいぐるみ……