「で、引っ越しはいつなん?」


涼ちゃんはうつむくと、申し訳なさそうに言った。


「あ……明日……」

「明日ーっ!?」


あたしは思わず叫んでいた。

あたしの声に合わせ、強い風が校庭の木々を揺らす。

またもや、視線が集まるのを感じる。

でも、あたしはそんなこと気にしなかった。


「何で明日なん!? あたし、まだ学校じゃん!」

「い……いや、こっちにも、色々と都合っちゅーもんが……」

「もうっ! 引っ越し、手伝えんじゃんかー!」


あたしは、周りの目も気にせずまくし立てる。