コイスルハナビラ SAKURA


「ありがとうございましたー!」


スーパーのお兄さんの爽やかな声に見送られ、あたしは大きな買い物袋を自転車のカゴに入れた。


「これだけあれば、大丈夫じゃね」


袋の中には、3食は軽く作れるくらいの食材が入っている。

保存がきく料理を作れば、涼ちゃんもしばらくは外に出なくても大丈夫!


「あたしってば、出来た奥さんみたい!」


『にへっ』と笑うあたし。

あたしの頭では、幸せな未来予想図が描かれている。

満たされた気持ちで、あたしはペダルを漕いだ。