コイスルハナビラ SAKURA

━━━と、その時!



あたしの脳裏に、一つのアイデアが浮かんだ。


「……あたしが……看病してあげるっ!」


ああ……

我ながら、なんて素晴らしいアイデア!

これなら涼ちゃんに会えるし、涼ちゃんも喜んでくれる!

美味しいご飯を作ってあげれば、きっとすぐに元気になる!


あたしは、得意な気持ちいっぱいで『ふふん』と笑った。


「待っててね、涼ちゃん!」


あたしは自転車の向きを変えると、勢いよく漕ぎ出した。