コイスルハナビラ SAKURA


「も、もしもし、涼ちゃん!?」


それでも、なんとか電話が切れる前に出ることができた。


「ちょっと涼ちゃん! どんだけ待たせよるん!? あたしがどんだけ寂しい想いしとるか!」


周りの目も気にせず、あたしは一気にまくし立てる。


『ああ……悪かった……』


そんなあたしに気圧されたのか、電話の涼ちゃんはいつになく神妙に謝ってきた。

言いたいことが言えたことと、涼ちゃんの反省した様子に、あたしの心は次第に落ち着きを取り戻してきた。