それから30分の時が流れた。

あたしとの約束の時刻を15分過ぎても、涼ちゃんは姿を現さない。


「あいつ……また遅刻かぁ……」


『ふうっ』と、ため息をつくあたし。

周りで待ち合わせをしている人たちは、次々とペアになって消えていくのに……


「……たまにはキツく言わにゃあ、いけんねぇ!」


あたしは、眉間にシワを寄せて空を見上げた。

空は、少しだけどネズミ色の雲が広がっていた。