コイスルハナビラ SAKURA


「でも、あたしも楽しかったから」


猫さんはそう言うと、アップにしていた髪をほどく。

よく手入れされているのがわかるその髪は、サラサラと流れるように落ちた。


胸ほどの長さの髪。

それは、猫さんによく似合っていた。


「髪……綺麗ですね」


その言葉に、嬉しそうな表情を浮かべる猫さん。


「結構、気を使っているのよ」


そう言って、髪をなでた。

そして、あたしの短い髪をまじまじと見る。


「パンダちゃんは、髪伸ばさないの?」

「え?」

「長いのも似合うと思うよ」

「猫さん……」