コイスルハナビラ SAKURA

あたしは、しゃがむと、とっさに話しかけた。


「な……泣くことないパン!」


……パン?


あたし……


今……


『泣くことないパン』って言った……?


パンダの鳴き声がわからないからって……

『パン』って……


あたしは、顔が熱くなるのを感じていた。

パンダヘッドの下の顔は、熟したトマトよりも赤いかもしれない……


パンダだから……パン……


それって、安直過ぎるよね!


あたしは、自分で自分が恥ずかしくなった。