コイスルハナビラ SAKURA


「……どうしよう?」

「う~ん?」

「あの……」


困り果てた3人に、あたしはおずおずと手を上げた。


「あたし……たくと君、見てましょうか?」


みんなの視線が、あたしに集中する。


「ほら、若林さんと麻紀ちゃんは、あまりお店を空けてはおけないでしょうし……」


実際、ケレスの中には、何人かのお客さんが食事をしていた。


「じゃあ、あたしは、ケレスで預かってますって、迷子センターに言えばいいのね」


猫さんは、ふんふんとうなずく。


「でも……1人で大丈夫かい?」

「大丈夫、任せて下さい! あたし、子供は好きですし」


少し心配そうな表情を浮かべる若林さんに、あたしはドーンと胸を叩いてみせた。


「そう言ってくれるなら……」


若林さんは、あたしたちを見回す。


そして……


「よしっ、それで行こう!」


パーン! と手を鳴らした。


「はいっ!!」


あたしたちの返事は、レストラン街に響き渡っていった。