コイスルハナビラ SAKURA


「大丈夫! パンダちゃんだって、きっと見つかるよ!」


まるで、心を読んだかのような、猫さんの励ましの言葉に、あたしは驚きを隠せなかった。


「ほら、そんな顔しないで……ね?」


そう言って、猫さんは首を傾げて笑う。


う……

心を読まれたんじゃなくて……

あたしの顔に出てたのか……


それに気付くと、なんだか恥ずかしくなってきた。


「さあ、そろそろ開園よ! 今日も頑張ろう!」

「は、はいっ!」


あたしは、

『バシバシッ』

と、両手で自分の頬を挟むように叩く。

少し驚いたような表情を見せる猫さんを尻目に、あたしはパンダの頭を拾い上げかぶった。

頬が、じ~んと熱くなっている。


「あたしが……なりたかったもの……」


あたしはパンダのかぶり物の中、そっとつぶやいた。