コイスルハナビラ SAKURA


「……あたしね!」


思い悩むあたしに、猫さんはひときわ大きな声を出した。

その声で、あたしは現実へと返る。


「あたしは、看護師になりたいんだ~」

「……看護師?」

「うん。今ね、看護専門学校に通ってるの」


そう言って、猫さんは優しく微笑んだ。

猫さんも、人のためになる仕事、笑顔と向き合える仕事がしたかったんだって。

そして、その夢を実現するために、看護師という道を選んだ。

歳は2つしか違わないけど……

あたしより、しっかりとした考えを持って生きている……


同じ1日を過ごしても、きっと充実度では猫さんの方が上だと思う……


あたしも……

猫さんみたいに、なりたい……