コイスルハナビラ SAKURA


「何でウエイトレスじゃなくて、着ぐるみのバイトしようと思ったの?」

「……え?」


何でって……

それは……


麻紀ちゃんにダマされたというか……


そもそも、バイトすることになったのは……

涼ちゃんとのことが

あったからなんだけど……


あたしは、一瞬暗い表情になる。

猫さんは、その表情を見逃さなかったみたい。


「あ……む、無理に答えなくていいのよ! じゃあ……」


と、あわてたように質問を変えてきた。


「……パンダちゃんって、高校生よね?」

「はい、4月から3年生です」

「あたしと2コ違いかぁ……」


猫さんは、うんうんとうなずく。


「将来、何になりたいの?」

「え……将来?」

「うん、将来の仕事」


突然の質問に、あたしは戸惑った。