「……ふうっ」


猫さんは、ホウキで掃く手を休めると、一息ついて額の汗を拭った。

日差しを浴びて、キラキラ輝く猫さん。

レストラン街の、色とりどりの建物を背景に輝く猫さんは、まるでおとぎ話の住人みたい。


あたしがそんなことを思いながら見つめていると……

猫さんも、あたしの視線に気付いたみたい。


「パンダちゃ~ん、おはよーっ!」


人懐っこい笑顔で、あたしに手を振ってくれた。


「おはようございます!」


あたしはおじぎをすると、猫さんに駆け寄った。