「あたし、絵や文章書くの好きなんだもん」


そう言って、あたしは笑った。


「確かに、絵の上手さは認めるわ」


麻紀ちゃんは、あたしの前の席に横向きで腰掛け、上半身をこちらに向けた。


「……文も誉めてよ」


再び唇をとがらせるあたしに、麻紀ちゃんは『あはは』と笑った。


「ところで麻紀ちゃん」

「ん?」

「もうすぐ春休みじゃけど……」


頬杖を付きながら、あたしは言った。


「春休みって何してるん?」


麻紀ちゃんは、あたしの言葉に、少しだけ考える素振りを見せた。