コイスルハナビラ SAKURA

それが逆効果だったのかな?


「涼介のことかぁ……」


麻紀ちゃんに、見抜かれてしまった。


「さくら……」


麻紀ちゃんは、小さく息を吐く。


「もうさ……あんなやつのことは忘れてさ……」


その瞬間、あたしの中の何かが音を立てて切れた。


「忘れられないよ!」


あたしは、大声で反論した。


「そんな、簡単に……」


うつむき、下唇を噛む。

拳を強く握り締める。

もう、自分でも自分を止めることが出来ない。


「……そんな簡単に忘れられる『好き』じゃないんだからーっ!!」


あたしは叫んでいた。