次の瞬間、青の体は反転した。



背中が熱く焼かれた地面に倒れ込み、きゃあっ。と反射的に小さな悲鳴を上げてしまう。



 うるせえっ。
怒声と共に間髪入れず大人用の焦げ茶色のサンダルを穿いた巨人のような脚が青の腹部あたりに蹴り入れられた。



内臓が破裂したかと思うほどの圧迫感と痛みに口の中に酸っぱい液体が広がる。
そのままずるずる引きずられて、家の中に放り投げられ、玄関の床で頭を打った。くらくらと目眩がした。



男の大きな手が座り込んでいる青の両手首を片手でひとまとめにすると衣服をめくり上げ火照った肌を執拗に弄り始める。


 恐怖に顔が歪む。



 「やめてっやめてっ」


 青はそこで初めて大きな声を上げて抵抗した。


男の渇いた堅い指先がやわらかくきめの細かい肌に触れる。その感覚にぞわっとした嫌悪感が走り上がってきて、夢中で脚をバタつかせたり体を捩ったりして抵抗を見せた。



 「お父さんっ!やめてっ!」



男は青の父親だ。