私が恋したのは女の子でした。

「あんまり誰かに見せたことないんだ。公衆のお風呂とかには僕は入れないし」
 
 かえでくんが躊躇いがちに着ているものを脱いでいく。
 
 思った以上にかえでくんは痩せていた。
 
 腕が少し細いなとは思っていたけど……。
 
 まさか……こんなに。
 
 こんなにガリガリに痩せていたなんて、思いもしなかった。
 
「華奢なんだね。かえでくん」
 
 できるだけソフトな言い方で素直な感想を口にする。
 
 かえでくんは静かにうなずいた。
 
「太りたくないんだ。太ると、胸が大きくなっちゃうから」
 
 それで納得した。
 
 普通の女の子なら、大きくなりたいと思う胸。
 
 だけど、かえでくんにとっては、わずらわしいものなんだろう。
 
 その気持ちはわからなくもない、けれど……。