「お前は?」

ぼー、としてると急に話を私に振る。

「わ、私?!」

皆の視線は私に集まる。

私の番はまだまだ先なんだけど・・・。

でも空気に逆らえなくて私は椅子から立ち上がる。

「す、須藤菜緒、です…!

好きな食べ物は、パンで・・

中学の時は美術部でした。それから・・あの、よろしくお願いします‼︎」

一瞬固まると、拍手がちらほら湧き上がった。

よろしくねー、と優しい声もかかる。

私は周りのみんなをろくに見れずに椅子に座った。

我ながら、面白くない普通の自己紹介だった。

「おいおい、順番狂っただろー」

佐伯先生が笑いながら早坂くんの次の人から自己紹介を支持した。