「みんな、入学おめでとう!」

フレッシュ感漂うスーツ姿の男の先生が第一声を発し、黒板に大きく[佐伯晃正]名前を書く。

「今日から俺が、お前らの担任を受け持つからなー」

「こーせーせんせー!」

「あきまさだ!!」

「ハハハハハッ」

若くて信頼できそうな、いわゆる当たりの先生。

女の子達はざわざわと、もう目の色が変わっていった。

よくある話をしたあとに佐伯先生は笑顔で言った。

「皆お互いのこと知らないだろーし、自己紹介でもするか‼︎」

うわー・・苦手なやつだ。

やっぱり自己紹介は避けては通れないらしい。

周りはまたざわざわし、すぐ自己紹介は始まった。

出席番号1番の人は大変だと思う。

なんでも最初だし、自分が言ったことが大体次にずっと繋がる。

案の定、最初の人が言った内容で自己紹介は進んでいく。

小学生の時、同じクラスだった井上君が、

『一番最後の出席番号から、の時がめっちゃ嬉しい』

と言っていたのを思い出す。