「よーし、今日は全員出席、っと」

佐伯先生は健康観察を終えると、意地悪そうな顔を浮かべて教室中を見渡す。

「えー、なになにあっくん」

リオ君は大げさに手を挙げて質問をする。

「誰だあっくんて」

佐伯先生はピタッと表情を止めてリオ君に言った。

「先生のことですー!あきまさせんせーだからあっくん♡」

リオ君は何の躊躇もなく先生呼ばわりをしない。

すごいな、私なら絶対無理・・って感心するところじゃないか。

「あっくーん!!」

クラスの皆は流れに乗ってあっくんコールを起こす。

私も便乗してあっくんと呼ばせてもらおうかな。