春、桜が満開。

新品の制服、新品の靴、新品の通学カバン。

憧れだったブレザーのリボンの位置を何度も直して。

「菜緒も今日から高校生だなあ」

「がんばってね!いってらっしゃい」

パパとママが笑顔で玄関まで送ってくれて、私は靴のカカトに気をつけながら

「行ってきます!!」

できるだけ、元気に返事した。

私、須藤菜緒。

今日から、『女子高生』

ずっとずっと、憧れてた。

マンガやドラマでみるような、キラキラな毎日。

友達と寄り道して恋バナしたり、素敵な彼をつくってデートしたり。
部活でいっぱい汗をかいたり、たくさん泣いて、たくさん笑って。

《青春》

そんな青春を送りたい。

私でも、送れるのかな・・。

期待と、不安と、好奇心を全部詰め込んで電車に乗り込んだ。